男は宿を訪れた。
その宿は人里離れた田舎町……秘境と言っていいほどの山間にあった。
天気は予想通りの雨。
家で退屈するよりも、気晴らしにとやってきた。
バス停につくと、1人の女性が傘を差しだしてくれた。
【紅花】
「はい、傘。折りたたみじゃあ少し濡れちゃうでしょ。梅雨の時期に来るなんて雨が降るに決まってんじゃん、旦那様。……まー、それも狙ってのことなのかわかんないけどさ」
【紅花】
「ま、こういう季節だからさ。外でなにやらとすることもできないし……ひとまずはお宿に行こっか。……って、荷物全然ないじゃん。手ぶら? ……へぇー、着の身着のままねぇー……」
長年連れ添った友のように、女性は自然と男を迎え入れた。
■作品構成(約63分)
・昼の部
1:傘をどうぞ(08:00)……雨の中お迎えに来てくれた紅花。あなたに傘を差しだし、宿までとりとめのない会話。
2:耳かきと雨(18:59)……久しぶりに耳かき。雨音を聞きながら、紅花は自身とあなたのことをぼんやりと話し続けます。
3:梅雨の面影(27:10)……綺麗になった耳を、たっぷりと耳舐め。本心とも嘘ともつかない言葉を交えながらの行為は前とずっと違います。
4:お昼寝(09:18)……行為が終った後は、お昼寝。おやすみなさい、お疲れ様でした。
■作品ポイント
・梅雨の面影……紅花とあなたの距離はぐぐっと近くなりました。だけど、紅花はそれが本当かどうかは煙に巻きます。
・全てバイノーラル……全篇を通じてバイノーラルで収録しております。目を瞑り、布団に横になり、音に集中して頂き、この世界に是非没入してください。
・雨の音……外の雨、家の中で聞く雨音。環境音は邪魔にならず、きっとあなたを落ち着かせてくれるでしょう。
■出演
紅花(こうか):北見六花様
■制作
サークル:うたかた
シナリオ,編集:尼子直次
イラスト:池谷神楽
■同人音声サークル「うたかた」Twitter