今回はPrincess ‘Laura’:ローラ姫(帰還編)です。もしかして、あれか?と思った方は、私と年代が近いのでしょう。
今回も設定が長くなるので苦手な方はスルーして下さい。
背景
交戦中の前線部隊を視察していたローラ姫は、敵国の急襲部隊に捕縛され、虜囚の身となった。王は王女の死を覚悟したが、一人の男に一縷の望みを託す。
急遽、召還を受けた辺境の警備隊長。この男(あなた)は小太刀の双剣使いであり、王国最強の呼び声も高い。また最高位の隠密スキルを所有し、姫奪還任務を成功させうる者は彼しかいないと誰もが思った。彼はすぐさま任務に取り掛かった。
・・・半年後、敵国での諜報活動で成果を得た彼は、姫の居場所を特定し救出を敢行する。かなりの苦戦を強いられたが、持ち前の隠密スキルの恩恵を受けた彼は、常に先手を取り続け監視網を突破し姫を監禁する一個中隊を壊滅させた。衰弱した姫を抱きかかえた彼は必ず無事に王城に届けようと心に誓った。
・・・さらに半年後。王国領はもう目と鼻の先だ。長い道のりだった。数か国を迂回し、ようやくたどり着いた。姫は気丈にも泣き言一つ言わずついてきた。大した娘だと彼は内心で舌を巻いていた。ところが最近姫の様子がおかしい。問うてみたが、何でもないの一点張りだ。ただ、王城に帰る前に立ち寄りたいところがあるらしい。「珍々亭」という居酒屋兼宿屋で、前近衛隊長で姫の武術の師でもある老師が経営している店だそうだ。救出後ずっと大変な思いをさせてきた。多少のわがままは王も許してくれるだろう・・・
「珍々亭」事変
・・・夢を見ていた・・・それは現在ではない何時の世か・・・前世の記憶だろうか?ローラ姫をかかえた俺に何者かが告げる「ゆうべはおたのしみでしたね」・・・
・・・ハッとして目が覚めた。軽い頭痛がする・・・なんだろう?左腕が重い・・・
目を開けるとトンデモない光景が目に映った。ナ・ナ・ナント!姫が真っ裸で隣で眠っている。俺も裸だ。チョット待て!この状況はいったい・・・冷静になれ俺!・・・そうこうしているうちに姫が目を覚ます。
姫「あ、おはようございます。」
隊長「ひ、姫!その・・俺・・ゆうべの記憶がないのですが姫に不埒なことをしてはいませんよね?」
姫「何を言ってるんですかー。あんなに激しく求めてきたくせに。すっごく痛かったんですよ。私、初めてだったんですから。でも、とっても幸せでした・・・」
隊長「オワタ・・・王ニ殺サレル・・・」
姫「大・丈・夫です!父上にはちゃんと話をつけます。それよりも・・・」
姫「チャント責任取ってくださいね。」
そう言うと、姫は彼の首に両腕を回し唇を重ねてきた。その瞬間彼の理性は吹き飛び姫を組みしだき何度も貫いていた・・・男とは所詮その程度の悲しい生き物である。
「珍々亭」事変 前日譚
事変の前日、姫は老師に相談を持ち掛けた。
姫「じいや」
老師「何なりとお申し付けくださいませ、姫」
姫「私は、隊長と離れたくありません。大好きなのです。このままでは、帰還後あの人は辺境に帰ってしまいます。そんなのイヤです。」「私、あの人にずっと傍にいてほしいのです。」
老師「姫のお気持ちはよーくわかりました。幼少の頃より面倒を見てきた姫は我が娘みたいなもの、必ずやご期待に沿う結果を出しましょう!半刻ほどお待ちください。」
・・・きっちり半刻のちに現れた老師、彼はとあるポーションを姫に差し出した。ラベルには「Lovers last elixir」と書かれてある。
老師「これは、ドラゴンですら発情させる超強力な媚薬です。あの男にはこれ位盛らなければいけないでしょう。姫も覚悟をお決めください。姫が体を張って迫れば拒める男はおりますまい。」
姫「・・・覚悟はとうにできてます。ありがとう。使わせていただきます。」
老師「あとは、私の指示通りに事をお進めください。結婚式にはイの一番にはせ参じますぞ!どうぞ、ご武運を・・・」
「珍々亭」事変 後日譚
老師「婿殿。姫のこと、くれぐれも頼みましたぞ。」と、有無を言わさぬ口調で二人は送り出された。老師の計らいにより、迎えの近衛隊を遅らせて二人きりの時間を数日作ってくれたようだ。あなたと姫の愛の蜜月旅行が今始まる・・・