つるぺた

「ねえ、私たちじゃ魅力…ないですか？」 ミーン、ミーン、ミーン…。夏の風物詩である、セミが今年もうるさいくらいに鳴いている。 じりじりとした暑さにうんざりしながら、今日も面倒だと思いつつ参考書を開いた。そんな俺の日常が次の瞬間パーンと壊れる。 「ねえ、おにーちゃん！夏祭り！夏祭り！連れてって！！」 いきなりノックもなしに入ってきたのは、今年になって初めてできた年の離れた義妹だった。早くに母を亡くした自分は、ずっとシングルファーザーの家庭で育っていた。そんな中俺が大学進学を決めたのを機に、父も新しい人生に踏み出したのだ。 そして父の新しい人生のパートナーの娘が、この年の離れた義妹だった。再婚同士の子供なんて、なんだか関係が複雑そうで最初は緊張したが、この妹は家族になった日から、まるで今までも一緒にいて、本当の兄弟だったかのようにふるまうのだ。 最初は面食らった自分だったが、なんだかその関係性が悪くなく、今は本当の妹のように可愛がっている。学校も夏季休暇に入ったところだし、まあ、いいかと思い、 「いいぞー、なんなら友達とかも一緒でいいからなぁ〜」と返事をすると、 「やったあ！！おにいちゃん...