鬱

ここは寂れた辺境の農村。 馬車は村に1台しか無いし、村長さん以外まともに文字を読み書きできる人も居ない。 年に何度か魔物が出たり、農夫であっても斧で下級の魔物くらいは退治できないといけない。 男は畑仕事、女は家事仕事や機織り仕事。 毎日に変わりはなくて、時間がゆっくり進む場所。 私はマリー。 隣の村出身で、隣村一番の美人と言われてチヤホヤされて育ってきた。 そんな私を母は自慢に思い、嫁に出す時に拘り過ぎた。 結果、私は行き遅れになりつつも隣の村、つまり今私が住んでいる村の男に嫁がせた。 しかし、その男は性欲に薄く、いつまで経っても子供を作る事ができずに居た。 私はこの前25歳を迎えた。 20歳までに子供を産むのが当たり前の世の中。 ともに生活する義両親からの当たりも日々強くなっていく。 そして切り出されたのが1年以内に出産できないなら離縁、つまり家から追い出すという宣言。 早く何とかしないと…。 そんなある日、村に冒険者が訪れた。 幼い顔立ちだが、イケメンの彼に一目惚れ。 追い詰められていた私は子供を作るために許されない行為に…。 それを見られていたことも気付かずに。 村中で私の不貞は...