好きだったのに…
【NTR・BSS】クラスで孤立してる委員長の事を、僕だけがわかってあげられる……そう思っていた。 『鉄仮面』 それが彼女のあだ名。 いつも無表情で淡々としている委員長は、皆からそう呼ばれてる。 「顔は好みなんだよ、顔は」 「胸もヤバいって。絶対、Gはあるぞアレ」 「俺は体育で見た尻が忘れられないかも……」 彼女の話がでると、決まってエロい話で盛り上がり、 "告白してみるか" "もう付き合ってるだろ" "そんなわけない" ときて、最後はいつも── 「「「でも、鉄仮面だからなぁ……」」」 そうして彼女の話題は終わり。 誰も彼女と深く関わらないし、鉄仮面に本気な奴は変人扱いされる。 だから誰も委員長の素顔を知らない。 笑った顔も、怒った顔も、泣いてる顔も何もかも。 でも僕だけは知ってる。知ろうとしてる。 『誰も見たことのない彼女の笑顔が見てみたい』 これが「好き」って事なのかはわからないけど、 気持ちは誰にも負けないと思っていた。 僕だけが 僕こそが 委員長を笑顔にできる ──そう、思い込んでいた。 ──────────────────────────────...